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石油切手収集

 テーマチィック=Thematic Philatelyとはどんな切手収集なのですか

私は石油切手を収集して30年余りになります。最初は単に集めるだけでしたが、整理、分類しそれだけでは、面白みがなくなりました。
そこで、切手による石油の生産工程を纏めて切手展に出品したのが始まりです。
石油切手によるテーマチィックを国内外の切手展に出品してきました。その経験から、このページを作りました。

切手展の出品部門には色々な部門があります。切手展を主催する団体により多少の違いはありますが、
それは「特殊な部門」の有無であって大筋は同じと考えてもらってよいでしょう。
まず切手展の応募部門についてその種類を簡単に説明します。くわしくは、各々の切手展の応募要項をご覧下さい。

日本国内では全国的な規模で開催される切手展は、毎年春に開催される郵政事業庁(旧郵政省) 主催の全日本切手展と秋に開催されている切手趣味団体である郵趣協会主催のJAPEX(全国切手展)の二つの団体があります。 この内、全日展を運営している「郵趣連合」は世界的な団体FIP(国際郵趣連盟)傘下の日本の団体です。 FIPは一ケ国一団体を公認しています。
国際切手展の応募資格は、原則国内切手展で大銀賞「75点」(2001年改定以前は金銀賞「80点」)以上のメタル受賞が必要です。 競争切手展の代表的な部門は次のとおりです。 

 1. 伝統郵趣部門(Traditional Philately)

 伝統郵趣コレクションとは、特定の国又は地域で一定期間発行された切手を発行順、額面順に構成したコレクションのことを言います。特定の切手、シリーズの収集のことで、通常、切手の収集というとこの分野のことです。  

  1. 菊切手・・田沢切手・戦後の記念切手や特定の一種類の切手(例えばU小判切手5銭等)の製造面、目打ち、紙質、消印といった特定の要素を研究掘り下げたコレクションです。
  2. 消印のみを使用目的、使用期間、使用地域、消印の色や形の変化だけを専門的に研究したものは、郵便印(マルコフィリー部門として独立しています。消印も抹消消印、船舶郵便、鉄道郵便などがあります。

 2. 郵便史部門(Postal History)

 「明治初期の外国郵便」といった実際に郵便で使われた郵便物(実逓 と呼んでいます)を郵便印、運送経路、料金などを歴史的に分類したコレクションです。郵便物としては書状、葉書などステーショナリー(官製封筒・官製葉書を含む)です。
単体の郵便物に、すべての要素を含む必要はありません。

 3. テーマチック部門(Thematic Philately)

 「タバコの歴史」「文明開化」また私がテーマとしている石油を例にしますと「石油・BLACK GOLD "光と影"」などの主題をあらゆる種類の郵趣材料を駆使して論理的に構成した物語のコレクションをいいます。
私の場合は、石油切手を中心に『石油の成因』、『地質学からみて埋蔵する個所』、『探査方法』、『石油生産国』、『掘削方法』、『輸送方法』、『精製方法』といった石油が消費地まで届く過程(このことを業界では川の流れに例えて上流から下流といいます)を柱にの部分として『照明の時代』から『動力源の時代』そして『石油化学』よる文明社会の発展といった石油の貢献を、そしての部分として経営者の搾取による『労働者の決起』、『国家間の石油利権紛争』、『ナショナリズムの高揚』そして石油文化の帰結として『環境破壊』へと物語を発展させてます。
 ですから、図案や発行目的等に関係なく自分が考えた主題の構成によりストーリにマッチした
マテリアルを自由に選択できます。
 それだけマテリアル選択の幅がありますが、テーマとマテリアルが論理的にマッチしているかがポイントとなります。
 なお、トピカルコレクションとは主題別(subject)に「蘭、」「きのこ」「馬」など図案別に属、種、科等の分類に配列したものはをいいます。
 また、「赤十字」「オリンピック」は図案は異なりますが、発行目的を同じくするももあります。
テーマチィク収集と似ています。

 4.ステーショナリー部門(Postal Stationery)

 原則として料額印面のある葉書、書簡(ミニレター呼ばれ封筒官用の便箋で料額印面が付です)のコレクションです。
「年賀葉書」「小判葉書」など葉書の使用例です。
内容によっては、『郵便史』や『郵便印』部門の要素と同じものが含まれます。

其の他の部門としては航空書簡部門(Aerophilately)があります。外国では、マキシマム部門(Maximaphily)があります。
又、「現代郵趣」部門や「企画」を設けている団体もあります。

テーマチックを簡単に説明すると

 「テーマチィクとは」と聞かれたら、「あらゆる適切な郵便材料(以後マテリアルという)を適切に駆使して自分が何を参観者に訴えるか、又は、主張しょうとしているのかを論理的に具現化した作品を競う部門である」と説明できます。
 FIP では各部門に適切なマテリアルの定めがあります。 テーマチック・コレクション部門にも使ってもてよいマティリアル使ってはいけないマテリアルのガイドラインがあります。 あくまで原則論です。この点が以前トピカルと呼ばれていた図案別作品とは異なるところです。


 使って良いとされているマテリアル

石油切手コレクションより 

ここにご紹介するマテリアルは私の出品したコレクションより選択しています。

尚、テーマに使うマティリアルはその描かれた内容が重要であってそのマティリアルの年代等は
関係ないといわれているが同じ物であれば実際は新しいものより、時代の古いものが審査においては
有利になっているのは事実である。審査基準で希少価値、
入手困難なものを要求している以上前段の論理は矛盾している。
現に審査講評にクラッシックなものが使われていると評価し、そうでないものには古いものを選ぶように要求している。

こで、言葉だけの説明でなく、実際にマテリアルを示して説明します。
FIPの人間でもなく、どの郵趣会の審査員でもありません。一人のフィラテリストとして自分なりに会得した
経験によります。

目打ちズレ エラー 目打ち漏れ エラー 無目打ちとは別
目打ちズレ アラスカパイプラインブラジル 油田


無目打ちエラー

無目打ち切手を乱発する国が
あるがこれはエラー
公用切手 加刷の例 穿孔の例 (公用)
公用加刷

尚、加刷されることにより、テーマが別の意味になる場合は好ましくない切手に分類される。

公用加刷 穿孔

本来台切手を使用するのが好ましい

見本切手 加刷   穿孔 バンチ穴
みほん 第9回石油会議みほん マラカイボ油田
SPECIMENは見本を表す。
ベネズエラマラカイボ油田
日本のみほん切手
みほん切手は本来正規のルートで市中に存在するべきものではない。郵便局や学校などに資料として配布されていた
また、最近みほん切手の不正な使用が発覚して
みほん切手の配布が止められた。
テーマとしては、本来は台切手が望ましい



見本 パンチ穴による
ペルータララ油田。
直径6oのパンチ穴があけられている。
見本の証し
加刷 Overprinted 料金改定 Surcharged

加刷 over print
Overprintedとは、最初の発行目的と異なった目的で発行される時の加刷のことを言う。
ちなみに、この台切手は1955年の
"杉の木"タイプに
アラブ石油会議のエンブレムを加刷した
ものである。台切手のテーマと異なる。
料金改定 surcharged
違った目的の意匠をするのをOverprintedというのに対して料額面を変更するのを
Surchargedという。
台切手のテーマは変わらない。


穿孔 特別徴収料金票
ESSOの穿孔

企業名の広告
ESSO
企業が切手の私的利用を防止する管理対策。
穿孔自体がテーマ

郵便料金特別徴収切手
黒龍省においてインフレの為郵便料金(郵便料金の4割が地方の財源)では収入が不足する為に地方が独自に金額を徴収した時代があった。
これは、大慶油田とタンク貨車
;レターシート 1873,年

レターシート petroleum
6種類の企業広告
不必要な内容の広告は、トレッシングペーパで薄くしてある。
必要なものをアローで示すよりは良いと思う

切手帳表紙 広告  
エッソ ガソリンスタンド

切手そのものは、石油テーマとは関係ないが、表紙がガソリンスタンドでマテリアルである。
切手帳 タブ 広告利用 タブ  テーマ関連の図案

エッソ タブ
切手帳の一部タブに石油会社の広告。

タブ利用
テーマの図案でも発行国に何等の関係もなければ使用は避けたほうが無難

カラートライヤル 
カラートライヤル
アルジェリアハシメサウド油田。1957年開発。
フランスでも同じ意匠の切手が発行されている。
刷色見本。
未発行切手 何らかの理由により印刷まで終了して発売されなかった切手。

木製の油井。未発行切手
ドイツ占領下ポーランド1945年未発行。
ドイツ軍人クラーク大佐が焼却処分にしたが、兵士が数枚を持ち出した。
石油切手としては一番入手困難
ダイプルーフ  彫刻者のサイン入り。

ダイプルーフ 

彫刻者の署名入りのダイプルーフは希少性から価値はあるが、リーフに占める面積が大きいのでマティリアルの
使用枚数が減るというマイナス要素がある。バランスが大切である。
メータースタンプ  企業が公的機関より使用を許されたマテリアル。

スェーデン MS

モービル石油のMS スゥエーデン1932年
価格的には安価であるが入手は困難である。このマテリアルも極力時代の古いものを探すこと。
アメリカのMSは意匠が多種多様。小さなテーマが出来ます。

石油関連地名の消印 

Petroleum 石油の地名
"Petroleum" ズバリ"石油"の地名。他にOil City等石油に因む都市名は他にもある。
使用に当たっては、極力古い年代の消印を、新しいのは、安易に入手可能である。
極端な話、郵頼でいつでも作れる。これは、1898年の消印。
プロパガンダ入り消印

石油の主権保持の標語

自国の主権保持を周知さす標語
1958年 フロンティシ大統領は国産石油資源はYPFを代理として石油主権を保持した。
ズバリのスローガンを探すのが至難。それだけに入手したときの感慨は格別。
風景印    小型印  探すのに労力がいります
日本機械堀第1号
郵頼で入手できるがね極力年代の古いもの。改正前の図案なら、なお好ましい。
日本の石油機械堀り一号機

新津 日本の産油地
使用期間が短期なだけに入手は困難。
地道に努力あるのみ
記念消印  

世界石油会議記念
切手は何等関係ないが記念スタンプを押印


ファンシイキヤンセル オイルポット
ファンシィキャンセルと呼ばれるのは数多くある。
テーマのマティリアルとして最適。
料額付き葉書(図案いり) 

未発行切手のモデルとなった油田
ポーランド 1937年 ここに描かれている油田は1945年の未発行切手のモデルとなった。
テーマーに合致したカッシェ入りは申し分なし。ポーランドはテーマのマティリアルとして宝庫
しかし、クラッシックのは、入手が少し困難。
石油マテリアルとして好きな一品。
料額付き封筒   

カスピ海バクー油田
カスピ海のバクー油田
旧ソ連は料額付 カッシエ入りステーショナリの宝庫 テーマコレクターにとって貴重安価で入手は安易
広告葉書 

広告はがき カルテックス

広告はがきのみほん 穿孔 ANNULE。こまめにデーラをのぞくことが入手のコツ
日本のエコーはがきは外国ではテーマのマテリアルとして人気が高く、コレクションによく使われています。
石油会社のロゴ
スタンプレス・ 軍事郵便

給油船艦からのカバー

石油給油船艦からのカバー
スタンプレスカバーとしてテーマに合致。
デラックスシート
 A
デラックスシート
製油所
無目打ち 標準切手
B
無目打ち
C
スタンダード
上記のデラックスシート、無目打ち、標準の3種類からテーマに使用するのはCの標準が良い。
Aのデラックスシートは占有面積が大きい。デラックスシートを使用する合理性がない。、Bの無目打ちは、ありふれたマテリアルで特に使う意味がない。
私製はがき(写真)   new

バクー油田炎上石油の世紀表紙カバー
スターリンの扇動により労働者が立ち上がりバクー油田が炎上した。                                私製はがきの為本来は好ましいマテリアルではないが、残存数枚のうち1枚はパリの資料館に所蔵されておりダニエル・ヤーギン氏の『石油の世紀』の表紙カバーに使用され、またNHKテレビドキュメント番組の『そのとき歴史は動いた』のタイトルバックにも使用された。私製であっても歴史的価値のあるものは希少的観点から使用は許されるとの事である。
同種はがき所蔵 ・ L'Illustration, Sygma Paris
これは、フィラテリーオークションで入手
シンデレラ  (ラベル切手)
shindelela


1923年にアゼルバイジャンで発行されたこ切手は、シンデレラと呼ばれているラベルの一種です。インフレの時に郵便管理者をだます目的で発行されたものです。
しかし一時期に特定区域で切手が不足し、使用されたと言われています。この切手を展示する場合は、切手が貼付された実逓エンタイヤが好ましいでしょう
企業の広告カッシェ入りカバー

barrel

カッシェが魅力的だが、あくまでプライベィトカバーで切手展での使用は好ましくないマテリアル。
しかし、外国での人気は高い。価格もけして安価でない。
オープン切手展では、格好のマテレアルとして使われている。

石油関連切手を貼付した実逓便

ポーランド実逓

テーマコレクションは実逓を使用する整合性がなかれば、単片を使用するのが原則。
ただ、リーフのスペースを占有するだけで材料不足をカバーしているだけと見られる。
但し、その切手が非常に珍しくカバーに希少価値があれば柔軟に考える。
初日カバー FDC 

iraq fdc

初日カバーは人気は高くカッシェもテーマにぴったり魅力的で使いたいが、所詮プライベィトな印刷物。
使用は避けるのが無難。
ただし、初日カバーに非常に価値がある場合は別です。

 この他、書留ラベル、検閲スタンプやラベル返信切手等もあります。特殊扱いを証するマテリアルも含まれます。
公的な機関で郵便とそれに付帯書類などがマテリアルとなります。
微妙な判断が必要となりますが、余程の郵趣知識を疑われるようなマテリアル以外なら大きな
減点対象とならないでしょう。できることなら事前に使用例など確認しておくのが無難でしょう。
其の他、使ってはいけないマテリアルとしては、「私製はがき」「民間の絵葉書」「はがき、封筒への私的な意匠印刷」など私的に作成されたものです。それから、オーダーキャンセルと呼ばれている使用済み切手は、収集家目当てに作られた非実逓の使用済み切手ですから絶対に避けるべきです。マキシマムカードについてですが、カードとは別の価値が含まれていない限り避けたほうが良いでしょう。


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